30代以降になると、エイジングサインのひとつとして気になり始める目の下のたるみ。目元は顔の中でも特に目立つ部分なだけに、たるみやクマがあると、一気に老けた印象に。目の下のたるみの原因や改善方法、さらに効果的なエクササイズ・ツボをご紹介します。目の下のたるみを改善して、ふっくら若々しい目元を目指しましょう。
目の下のたるみの原因とは?
目の下のたるみは、主に加齢による皮膚、筋肉や支持靭帯の衰えが原因です。加えて、日々のスキンケアや生活スタイルによる外的要因も関係しています。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
皮膚、筋肉の衰え
皮膚は加齢と共にコラーゲン線維などができにくくなりいわゆる「ハリ」がなくなります。
また、顔の筋肉(表情筋)も加齢に従い徐々に衰え、目の下のたるみやほうれい線など、エイジングサインを引き起こす原因になります。
目の周りには「眼輪筋(がんりんきん)」と呼ばれる筋肉があり、目を開けたり閉じたりする働きを持っています。この眼輪筋が衰えると、眼球が重力に逆らえず下方向に垂れ、下がった眼球が下まぶたにある眼窩脂肪(がんかしぼう)を押し下げると、脂肪がぽっこりと盛り上がる脂肪突出の状態になります。
これが目の下のたるみ(黒クマ)です。上まぶたのたるみや目尻のしわも、眼輪筋の衰えが原因です。
真皮の衰え
筋肉と同様に、真皮の細胞も年齢を重ねるごとに性質が変化し減少します。肌のハリや弾力を保つコラーゲン線維(*1)やエラスチン線維(*2)は、加齢によって衰えしわやたるみの原因に。
さらに、長年浴び続けた紫外線の影響で、真皮のコラーゲンなどの弾性線維が破壊され、シミやしわが増える光老化の症状がみられるようになります。
*1~2・・・皮膚の厚さの大部分を占める真皮の中にある、線維状のコラーゲンとエラスチン。コラーゲン線維は肌の弾力をつくり、エラスチン線維は線維を結合する働きをもつ。
乾燥
乾燥は肌の老化の促す大きな要因です。エアコンによる外気の乾燥も目元のカサつきを招きます。
乾燥によって角層が厚くなり肌のしなやかさが損なわれ、初期段階では小じわ、その後深いしわとなり、潤いが不足した状態が続くと目の下のたるみを引き起こす原因に。
また、乾燥は肌のバリア機能を低下させ、外部刺激を受けやすい状態になります。紫外線や摩擦、雑菌など、様々な刺激によるダメージを受けやすくなるため、注意が必要です。
スマホの使いすぎ
「暇さえあればスマホをチェックしている……」という人も、目の下をはじめとする顔のたるみが目立ちやすくなります。下を向いてスマホを見ている姿勢が長時間続くと、重力で皮膚が下方向に垂れ、たるみが起こりやすくなります。
また、長時間スマホの画面を見続けることで目を酷使したり、画面から放出されるブルーライトを目に浴び続けたりすると、眼精疲労のもとに。目の周りの筋肉が疲れてしまい、目の下のたるみやクマが増える原因になります。
喫煙や過度の飲酒、乱れた食生活
喫煙や過度の飲酒は、体内の活性酸素の量を増加させます。活性酸素が増えると、皮膚の細胞がさびついて肌が老化し、たるみやしわの原因になります。
細胞が活性酸素と戦うためには、キウイやいちごなどに含まれるビタミンC、大豆などに含まれるビタミンEなどの抗酸化成分を摂ることが効果的です。喫煙や飲酒の一方で、これらの野菜をあまり摂らない、といった偏った食生活を続けると、老化がさらに進行しやすくなります。
目の下のたるみを予防・改善するためにも、生活習慣や食習慣を整えることが大切です。
目の下のたるみを改善する簡単エクササイズ
目の下のたるみを改善するには、目の周りの筋肉(眼輪筋)を鍛えるエクササイズも有効です。体の筋肉と同じように、顔の筋肉もトレーニングで鍛えることができます。
眼輪筋を鍛えると、目の下のたるみが進行するのを抑えるだけでなく、むくみやコリがとれてすっきりとした目元になりますよ。
見開きエクササイズ
- 目をぎゅっと強くつむり、5秒間キープします。
- ゆっくりと目を開き、通常の状態に戻します。
- 目を眉の部分から上に引き上げるイメージで大きく見開き、そのまま5秒間キープします。
- 元の状態に戻します。
まばたきエクササイズ
- 顔を天井に上げ、目線は床に向けて、まぶたに力を入れてゆっくり10回まばたきします。
- 顔を床方向に下げ、目線は天井に向けて、まぶたに力を入れてゆっくり10回まばたきをします。
目の下のたるみに効くツボはあるの?
目の下のたるみに改善にツボ押しもおすすめです。コリの解消や血行促進に効果があるとされ、疲れた目元をすっきりとリフレッシュ。お金がかからず、手軽に隙間時間に取り入れられます。
太陽
こめかみの近くにあるツボです。眉尻と目尻の延長線が交差する部分が目安。ややくぼんでおり、押すと気持ちよいと感じる部分が「太陽」です。
眼精疲労やむくみ、たるみ、クマなど、目周りのあらゆるトラブルに効くとされているツボです。親指を当て、他の指で頭を固定するようにしてゆっくり押しましょう。
承泣
黒目の真下、目を囲む骨のふちにあるツボです。血行を促進し、疲れ目に効果があります。
下まぶたの皮膚は薄くてデリケートなので、強く押さないように注意してください。小指の先でそっと5秒間押したら離す、これを3セットおこないましょう。
球後
目の下の骨の上、黒目の真下と目尻のちょうど中間あたりにあるツボ。指先で探るとごく小さなくぼみを感じる部分です。
血行やリンパの流れを促進し、目の下のたるみやクマを改善します。こちらも力の入れ過ぎに注意して、小指でそっと押しましょう。
あまり力を入れすぎると、目の下の皮膚が刺激され、たるみがひどくなってしまう可能性もあります。
目の下のたるみを取る美容医療
目の下のたるみは、化粧品やエクササイズ、マッサージでは解消できない場合も。美容医療では、手術やヒアルロン注射などにより、目の下のたるみを物理的に解消します。
美容医療は即効性が魅力ですが、一方でリスクや手術後のダウンタイム、コストがかかるなどのデメリットもあります。美容皮膚科や美容外科など、専門の医療機関・クリニックで医師によく相談しましょう。
ヒアルロン酸注入
目の下のたるみのしわ部分に、ごく細い針の注射でヒアルロン酸を注入します。注入部分がふっくらと盛り上がることで、たるみが目立たなくなります。
施術後の腫れや出血、赤みが比較的少なく、すぐにメイクもできるので、メスを使った手術に抵抗のある人に人気があります。
費用は注入するヒアルロン酸の量によって異なりますが、注射器1本分(1cc)で6~8万円ほどが相場です。効果の持続期間はおおよそ半年程度です。
下眼瞼切開
目の下のしわやたるみをメスで切除する手術です。
40代以降の目の下のたるみには、たるんだ皮膚を切り取るだけでなく、眼窩脂肪をへこんだ部分に移動し、目の周りの筋肉を引き上げて固定する手法(ハムラ法)を取るのが一般的です。
ダウンタイムは約1週間程度。後日、抜糸の必要があります。費用は約30~40万円程度が相場です。
ACR(PRP療法)
自分自身の血液から抽出した血小板を肌に注入する治療方法です。血小板の持つ成長・再生能力を利用し、肌細胞を活性化させます。
しわやたるみだけでなく、ニキビ跡やほうれい線など、様々な肌トラブルに効果があります。
自分の血液を使うので、アレルギーや副作用がないのが魅力。ダウンタイムはほぼなく、効果は1~3年程度です。費用は顔全体で20万円程度が相場です。
目の下のたるみは毎日のケアで改善できる
目元は顔全体の印象を左右する大事なポイント。目の下のたるみは、主に加齢が原因となっているため、女性にとってなかなか避けられない悩みでもあります。
一方で、日々の紫外線対策や保湿ケアを徹底しながら、効果的な抗酸化コスメなどを使うことで、進行を遅らせることは可能です。エクササイズで眼輪筋を鍛えて、マッサージで肌をやわらかくすることも効果的。
また、目の下のたるみは、表情がない人にできやすいともいわれています。毎日豊かな生活を送り、意識的に表情を変えるのもよいかもしれませんね。
どうしても悩みが深い人は、目の下のたるみを取る美容医療に頼るのもひとつの方法です。まずは、毎日のケアで目の下のたるみを改善してみましょう。
以下では、毛穴ケアにおすすめのクレンジングをご紹介しています。気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね!