女性的な印象を作るために欠かせないのがリップメイク。唇にくすみがないと、薄い色の口紅もきれいに発色して、思い通りのメイクがしやすくなりますね。一方、唇のくすみが目立つと、顔色が悪く見えたり、お気に入りの口紅がうまく発色せず、ガッカリすることも。
唇の色には体質による差もあるものの、日ごろのケアでくすみを解消し、より健康的で若々しい印象をつくることができます。唇のくすみの原因や対策方法、メイク方法などをご紹介します。
唇のくすみの原因とは?
唇のくすみを引き起こす原因には、体質や健康状態などの内的な要素と、紫外線や乾燥などの外的な要因があります。ここからは、くすみの原因についてそれぞれ詳しくご説明します。
■血行不良
唇の皮膚は特に薄いため血色が出やすいという特徴があります。そのため、冷え性などによって血行不良が起きていると、唇の色も青黒く、くすんだ色味になってしまいます。
また血行不良は、喫煙や不健康な食生活、運動不足などによっても起こります。体内の水分代謝が滞ってむくんでしまう「於血(おけつ)」の状態になっている場合も、唇のくすみが出やすくなります。
■色素沈着
唇のくすみの大きな原因のひとつが色素沈着です。唇の皮膚は薄いので刺激に弱く、紫外線によるダメージも大きくなります。
日頃のメイクやクレンジングの際に、唇をゴシゴシとこすっていたり、刺激の強い成分を含んだ口紅などを使っていると、色素沈着の原因になります。
また、UVカット効果のあるリップクリームの塗り忘れや、紫外線を浴びた後に十分なケアをしなかった場合などにも、色素沈着が起こりやすいので注意が必要です。
■乾燥
唇は、顔の中でも特に乾燥しやすい部分です。乾燥によって唇表面の皮膚が荒れていると、くすみ感が目立ってしまいます。
ガサガサとした状態で長時間放置していると、皮が剥けて傷ができたり、出血したり、唇のバリア機能が低くなったりと、健康上の問題も出てきます。
また、傷や皮剥けの跡は色素沈着を起こしやすく、くすみがさらに悪化してしまう場合もあります。
■病気
ストレスや疲れ、体質などによって唇が荒れたり、湿疹ができたりする場合もあります。
これは「クインケ浮腫」と呼ばれる病気で、蕁麻疹の一種。遺伝が原因の場合と、薬剤による影響が原因の場合もあります。唇が腫れた後に、湿疹や皮剥けなどの症状が出ます。
治療のためには、抗ヒスタミン剤やトラネキサム酸、ステロイド剤などの内服が必要になるため、単なる唇のくすみや荒れとは違う異常を感じた場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
唇のくすみを改善する方法
唇のくすみの原因を理解したら、それぞれに改善方法をチェックしていきましょう。毎日の習慣の積み重ねで、効果を実感することができるようになりますよ。
■体を温める
血行不良による唇のくすみを解消するには、体を温めることが大切です。冷房の効いた部屋にいる時は、ひざ掛けや上着を活用して体温調節し、夏場でもなるべく温かい飲み物を飲むようにしましょう。
■紫外線対策
紫外線による唇の日焼けと色素沈着を防ぐには、唇用の日焼け止めを活用しましょう。UVカット効果のあるリップクリームを使うのも手軽でおすすめです。
■刺激を与えない
メイクやクレンジングの際は、唇を強くこすらず、なるべくやさしくケアしましょう。唇も他の箇所の肌と同様、刺激を受けることでシミやシワ、色素沈着などが増えてしまいます。
■保湿
乾燥による唇の荒れは、くすみの原因になります。クレンジングや洗顔の後は、唇も保湿剤でケアしましょう。
唇の皮膚は特に薄く敏感で、刺激に弱いため、低刺激処方の保湿剤を使うといいでしょう。中でも、セラミド配合の保湿剤がおすすめです。
■リップメイクをしっかり落とす
リップメイクが唇に残っていると、荒れやくすみの原因になります。顔全体のクレンジングをおこなう前に、リップメイクはあらかじめ落としておくようにしましょう。
ポイントメイクリムーバーの中には、クレンジング力が高い一方、刺激が強いものもあるので要注意です。肌質に合う専用リムーバーがない場合は、局方品(※1)のオリブ油をコットンにふくませ、唇にあててしばらく待ちましょう。
リップメイクの油分が溶け出して、スムーズにオフすることができます。
唇のくすみにレーザー治療は有効?
毎日のリップケアでも唇のくすみが改善しない場合は、美容医療の力を借りるのも選択肢のひとつです。コストはかかりますが、即効性があり、唇のくすみを目に見える形で解消することができます。
ただし、手術後のダウンタイム、リスク、費用についてなどの気になる点は、美容皮膚科や美容外科など、専門の医療機関・クリニックで医師にしっかり相談することが大切です。
以下では、唇のくすみ改善に使用されることの多いレーザー治療の種類をご紹介します。
<レーザートーニング>
微弱なレーザーで、皮膚内のメラノサイトを刺激することなく、メラニン(色素)を破壊する治療方法です。肝斑の治療にも使われています。1回15分程度、1万円前後が相場で、レーザー治療の中では比較的手軽な治療です。
<Qスイッチレーザー>
小さなシミのような濃いくすみがある場合は、よりパワーの強い「Qスイッチレーザー」が効果を発揮します。レーザーがメラニンを変性させ、異物として体外に排出されやすくします。
施術の翌日からかさぶたができ、1週間前後ではがれることが多いようです。直径1mmで1000円程度が費用の相場です。
<フラクショナルCO2レーザー>
炭酸レーザーで皮膚に穴をあけ、自己再生能力を利用して肌を入れ替えます。シミやシワ、たるみなどに効果があります。1回30分前後、5万円程度が相場です。
施術直後から数日は、肌の凸凹が目立ち、シミが表面化して黒い点が無数に出るなどの症状が見られます。
5日程度で、きれいな肌になったと感じる人が多いので、長期のお休みに合わせて治療を受けるのがおすすめです。
<ヒアルロン酸注入>
加齢によってしぼんでしまった唇のくすみには、ヒアルロン酸注入が有効です。ふっくらと立体感のある唇にすることで、くすみやシワが目立ちにくくなります。
費用は1回につき10万円程度が相場です。注射した箇所に青アザができる場合がありますので、日程に余裕をもって施術を受けましょう。
唇のくすみをカバーするメイク方法
唇のくすみケアが効果を発揮するまでには、ある程度の時間がかかります。今すぐに唇のくすみを解消したい!という場合には、メイクでカバーしましょう。
1.コンシーラーでくすみをカバー
コンシーラーを唇の上数か所に置き、指先で軽くポンポンとなじませます。強く叩き込んだり、ゴシゴシとこすったりすると色素沈着の原因になりますので、注意しましょう。
よりふっくらとした印象を出したい場合は、コンシーラーを塗る前に、プランプ(唇をふっくらとさせる)効果のある唇用美容液やグロスなどを塗っておくのもおすすめです。
くすみ感が軽減され、ハリツヤのある質感をつくることができますよ。
2.リップライナーで輪郭をとる
コンシーラーが馴染んだら、リップライナーで唇の輪郭をとっていきます。
3.下地を塗る
薄いオレンジ系の口紅を下地として唇全体に塗ります。これによって、唇のくすみ感が解消され、上に塗る口紅がより綺麗に発色します。
4.口紅を塗る
メインの口紅を唇に塗りましょう。乾燥を防ぐことができるよう、保湿成分の入った口紅を選ぶのがおすすめ。
唇のくすみを解消するスペシャルケア
冬場になると、乾燥が原因のトラブルが多くなりますよね。唇の乾燥を改善するには、自宅でできるスペシャルケアもおすすめです。
<シュガースクラブ>
粒の細かいブラウンシュガーに少量のハチミツを加え、リップメイクを落とした唇に塗ります。小指や薬指の先で、力を入れずにくるくるとマッサージしましょう。余計な角質がとれ、くすみがなくなめらかな唇になります。
<ラップパック>
メイクを落とした後の唇にオリーブオイルを塗り、適当な大きさに切ったラップをのせてパックします。待っている間に、湯船につかったり、髪を乾かしてもいいでしょう。
数分置いたら、ラップを外して終了です。オリーブオイルの他に、ハチミツやワセリンなどを使用してもOKです。
唇のくすみ対策で魅力的な口元に
唇の皮膚は非常に敏感で、少しの刺激でも色素沈着や皮剥けなどのトラブルになりかねません。
日常的に唇を触るクセがあったり、つい唇を噛んでしまう、唇を舐めてしまう、という人は、意識的にクセを止めることでコンディションが改善します。
くすみのない唇は、透明のリップを塗るだけでも可愛いですし、口紅の発色もよくなるので、メイクが楽しくなりますよ。人の目につきやすい部分だけに、健康なピンク色の唇は印象アップにも貢献します。
唇のくすみを解消して、より魅力的な女性に変身しましょう。
※1 参考文献:日本ジェネリック製薬協会「局方品(日本薬局方収載医薬品)について」
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